秋田の文化遺産を考える文化
> 平野政吉が語った藤田嗣治作品の魅力

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2012.02.01
 世界の絵画史上に名を残した藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品は、「乳白色の肌」と呼ばれる透明感溢れる肌の描写、日本画の面相筆(めんそうふで)を使って描いた美しく流れるような黒い輪郭線の線描などに独創的な特徴がある。
 「乳白色の肌」の誕生については、浮世絵の鈴木春信、喜多川歌麿などの画から着想し、「肌という最も美しいマチエールを表現してみんと決意した」とのだと言う。
 最近、この「乳白色」は、ベビーパウダーを使って出していたことが解明されている。
 また、藤田の線描の技法は、日本人であるが故に日本の筆P1010446 藤田嗣治(セピア).jpgと日本の墨を油絵に使ったもので、「無念無想の気持ちで線の流れ出すままに任せて」描いたのだと言う。
 東洋の神秘と言われた藤田嗣治の作品は、それ以前の洋画にない独創的なものとして、ヨーロッパ美術界で高く評価されたが、画面の中でヨーロッパと日本の文化が融合したものであった。

 藤田嗣治作品のコレクターであった平野政吉は、藤田嗣治作品の魅力について、
「西洋の光線画の色と、東洋の墨の線を女子(おなご)の肌みたいな独特の画面に融和して、無駄な線と色のない緊張感を創り出したこと」
「空白の部分の緊張感と、どことなく神秘的な雰囲気を醸し出す表現力、これが世界画壇の雄、藤田嗣治の魅力だろう」
―と語っている。
 藤田嗣治の才能を誰よりも認め、長年の交友があった平野政吉ならではの、的確で分かりやすい表現による藤田嗣治作品の紹介と言えるだろう。

 藤田嗣治の才能を見抜く審美眼を持った秋田の先人がいたことに、秋田県人として誇りを持ちたい。
 そして、この希有な先人が建てた美術館を、そのコレクションとともに、未来に受け継ぎ、伝えていきたいものである。


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        P1010726 平野美術館(9-14)


藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)





 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)




 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)




 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が教示した展示室です。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)



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美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」





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  • 2012.02.01(23:35)|文化||TOP↑
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    Author:akitabunka

    昭和30年代の生まれ。
    秋田生まれ、東京都内で
    美術関連の職に就く。
    秋田市在住。
    性別 : 男

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